サード・パーソン

まあテーマは「真実の愛」ということだったのだろうか。

そんなことより(すみません笑)、構成の巧みさが面白かった。

けどまあ最後は夢オチってか全ては小説の中の出来事でしたオチかな?(笑)

百歩譲って全てのエピソードがリーアム・ニーソン演じる作家が関わった実体験であり、それを時間軸を交錯させて再構成したものである、という解釈も出来るだろうが(つまりアパレル関係の仕事の男も、画家の男も、作家の若い頃の姿であるという)、それも定かではない。

そもそも、パリで小説を書いていた作家と、冒頭とラストの薄暗い部屋で執筆をしている作家が、同じ次元の過去→未来の姿なのかどうかも分からない。

現実に存在しているのは薄暗い部屋にいる作家だけで、物語の内容は作家の実体験と一切関係がなく、登場人物は全てその作家が執筆する小説の中だけに存在する架空の人物であり、作家自身のように見えるパリの小説家も、完全にフィクションの存在だとも十分考えられる。

そこで気付いたのだが、映画ってそもそもフィクションってことを承知で我々は観に行くのに、そこでの出来事に夢オチもクソもないんじゃないか?と(笑)

フィクションなのに、観てる間はその物語を一応「真実」としているわけで、だから夢オチだと「ずるい」「なし崩しだ」「だったら何でもアリじゃん」とか言ったりするわけですが・・・

でも、アンタが観に来たのはフィクションでしょ、だから夢と似たようなもんってか「確かさ」?の程度としては等価でしょ、だからその点に関してずるいとか言われても(笑)っていう・・・

なんか上手く言えないけど(笑)

そういう認識の構造をそのまま映画にした、みたいなメタ映画というか、まあけっこう難しかったんだけど面白かったです。

パリとニューヨークのホテルが時空(時間はよく分からないが、少なくとも空間は)を超えてちょくちょく繋がっているのだが、こんな風に人生の一瞬、全然違う時空間に足を踏み入れてしまうことも、実はけっこうあるのかもしれない、と考えると面白いよね(笑)


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